二人の長い夜?

森田  2006-07-08投稿
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腕時計を見ると午後八時半ごろ。すっかり日が暮れてしまっている。通り魔を恐れてか人気が少ない。これだから考えなしは嫌いだな。人気が少ない方が殺しはやりやすい。本当に殺人事件を減らしたいのであれば、道と言う道に人が数人居るような状況を作るべきなのだ。そう言ったところで殺人犯は怖い。これが当然の姿であるため仕方が無い。第一、自分の命を護ることが最優先なのが人間だ。拓也『…?』
何か聞こえたような。気のせいか?…興味が沸いた。確かめてみるか。…平凡な人生にスパイスを効かせたい。学校の側まで来た。声のした方向がここで合ってるのかわからない。結局は自分も事件の野次馬感情があるのだろう。
拓也『帰るか』
何も無かったのだし、帰るとしよう。変に出歩いて通り魔事件に絡まれれば、それこそ馬鹿でしかない。
拓也『…!』
いま、声がしたよな?ヒソヒソ声や談笑とも違う異質な声。ぞくりと背筋に冷たいものが走る。
拓也『…っ』
黒い人影だ。学校の外壁の角から半歩踏み出したみたいに姿を現している。それだけならなんの恐怖感も無い。人影は…目が光っていたように見えた。人影は曲がり角へと消えた。………全力で走って家に帰る。自分の部屋に飛び込む。
拓也『はぁ、はぁ』 自分に予想以上の体力があったのか、火事場の馬鹿力と言うやつか。学校からここまで走る速さを落とした覚えが無い。
拓也『はぁ、はぁ、はぁ』
なんだアレは?あんなのが人なのか?それとも殺人犯って言うのは人間の枠外を越えた化け物か?汗をかいて気持ち悪いので、シャワーを浴びてさっさと寝ることにした。

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