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『あはっ。ユカからメールだ。』
『まさか、カラオケ呼んでねーから拗ねてるんじゃねぇよな?!』
『違うよ。だって、ユカは夏期講習に行ってるんだよ。』
『マジで?!暇なのは俺達だけってコトか。』
『暇じゃないよ!!聖人‥夏休みは、あたしと2人で勉強会しようねって言ったじゃん。
今日のカラオケは息抜きだよ。』
『ん〜。そうだったよなァ。ごめん!!』
そっと携帯を開いてみる――
《奈央。カラオケ楽しんでる?!
あたしさぁ、好きなヒト出来たんだよね♪(≧▽≦)》
えーっっ!!ホントにぃ???
ユカってば、
夏休み前は、そんなコト言ってなかったじゃん。
『奈央。秋田谷からのメールって何だったの?!』
『あはっ。秘密だよ。』
だって、
ユカに好きなヒトが出来たなんて、
あたしも今、初めて知ったワケだし。
『何で???俺に言えねーコトなの?!』
『そんなんじゃないよ。でもまだ秘密なのッ!!』
ごめん、聖人。
分かってよね。
女のコって、デリケートなの。
『ふぅーん。分かった。もーいーいッッ。』
『後でちゃんと話すから。』
『いーよッッもぉッッ!!』
『ふぇーん。怒んないで。』
『別に怒ってねーよッ。』
ユカの好きなヒトって、一体どんなヒトだろう――
そう思いながら、
ふと、隣にいるあなたを確認してしまう。
あたしの今の幸せが、
これからも、ずっと続けばいいって願うコトは、
ねぇ神様、
贅沢な願いだとは思わないでください――