次の日の朝一安から電話がきた。
その日はバイトも学校も休みだったので、午後から遊ぶ事になった。
時間どおりに、私は一安の家に向かった。
一安の家に着くと、一安の弟や弟の友達がいた。
一安の両親は仕事に行っていた。
なぜか窓から家の中に通された私に一安が
「今、母さんと喧嘩してるからホントは俺も弟も、家入っちゃいけないんだよね」
それを聞いて私は居ずらくなった。
「じゃぁ、チャント外に居た方がいいんじゃない?」
私がそう言っても一安は聞き入れてはくれなかった。
「母さんが帰って来る時間はわかってるから大丈夫だよ」
一安はそう言ったがそういう問題じゃない。
そのまま1時間が経ち時計は午後2時を廻っていた。
一安のお母さんが帰って来るのは予定では後1時間後だと一安が言っていた。
そんな事を考えてたら、玄関の戸が開く音がした。
「おい、一安なんで家の中に居るんだよ」
お母さんが予定よりも早く帰ってきたのだった。
一安と弟はお母さんに怒られ、そのまま家を追い出されみんなで近くのグランドへ行った。
一安と弟は怒られ慣れているみたいで、全く反省してる様子はなかった。
そのまま皆で野球をし始めた。
私は近くのベンチに座り一安をながめていた。
その日はすごく天気が良くて気持ち良かった。
そのうち一安が私の方に歩いてきた。
そして私の隣に座った。
「疲れた」
一安はそう言って恥ずかしそうに、私の膝に横になった。
そして一安は太陽を避けるように目を閉じた。
その口元はずっと笑みを浮かべていた。
そんな一安を見て、私達はやっと元に戻れたのかなと思っていた。
なんだか、私にとって暖かい一日になった。