*涙*
ザザン―‥
砂に足を取られながら、寝転んでる弘樹の元へいく。
「‥弘樹‥」
名前を呼ぶと、弘樹は振り向いた。
弘樹の顔は、涙で濡れていた。
「‥俺、失恋?」
笑ってごまかす。
「‥あいつさ、浮気してたんよ」
名前を言わなくても分かる。
「‥相手に殴られた。なんか俺が浮気相手側になってさ‥」
どおりで、ほっぺたが腫れてると思った。
「‥そっ、か‥」
あれ‥?
何で‥
「‥友?」
あたし、何で泣いてんの‥?
どうして‥
涙が溢れてんの‥?
「なんでお前が泣くんよ(笑)」
「ひっ‥ふぁっ‥っく‥だっ‥て‥」
弘樹はあたしを優しく抱き締めてくれた。
「弘樹は‥頑張っ‥てた‥から‥美耶と‥」
「‥ありがとな、友」
首をブンブン振る。
「俺はだいじょーぶ!!たくさん泣いたから、ね(笑)」
やっと笑ってくれた。
その笑顔のままでいてよ‥。
なんでよ‥
美耶‥
あんたは1度でも、弘樹が好きだって思わなかったん‥?