久々の外出
少しの間解放される時
どうしても貴方の隣は息が詰まる
確かに少し前までは大好きな空間だった
でも今はやっぱり辛い
『貴方の事はもう何でもない』と心から言える日が来るまでは
出て行く準備をして『行ってきます』と言った
いつもとは逆
貴方が出て行く時の台詞を今度は私が言う
何となく変な感じがした
貴方は私の顔を見てただ頷いただけ
また動揺させられる
その時に少し寂しそうな表情をしたから
『いい加減にして』と言いたくなる
何なのだろう
別に私が居ようと居ないだろうとどうでもいいじゃない
そう思いながらも愛おしく想う自分がそこにある
無表情で出て行った
何も悟られない様に
貴方の表情を思い出して苦笑いを浮かべた
動かされては駄目
期待は出来ない
別に何もなかった
約二時間
短い時間だった
職場のドアに手を掛け深呼吸をした
ドアを開けて飛び込んでくる貴方の姿
また息が苦しくなる
一瞬目が合う
貴方の少しの動揺を感じた
小さく些細な行動に敏感になる
私の勘違いだろう
ただの思い込み
そう思わないとまた傷を増やすだけ
席に着いて『ただいま』と言った
特に答えてはくれない
感情に流されてはいけない
どうしたって解放はされない
職場へ戻る帰路の中
結局は貴方の事ばかりを考えた
何処に居たって何をしたってそうなんだろう
寂しかったのだろうか
いつも居る私という存在が少しの間なくなるだけでも
そんなはずはないか
考えるだけ無駄なのだろう