『夕日、風・・・そして新たな芽生え』
可唯「・・・・。」
憂「私・・・もう・・・どうしたらいいのか・ッ。」
可唯「もう一回浮気されたって?」
憂「・・・うんッ。もう・・・。」
可唯「そうかもしれないけど、違うかもしれない。」
憂「え・・?」
可唯「浮気じゃないかもしれないってこと。ただ一緒にいただけか もしれないじゃん。」
憂「・・・だ・・けど。」
可唯「一回失った信用を補うのは大変かもしれない。
でもたった一回の過ちで今までのことを全部否定するのは
相手に酷いと思うよ。」
憂「・・・・。」
そういう考え方もあるんだ。
可唯くんってホントはすごい人なのかも。
憂「そうだね。」
可唯「うん。」
憂「私もう一度信じられるかな・・・。あの人のこと。」
可唯「きっとね。大丈夫だよ。信じる気持ちがあれば。」
憂「私頑張るよ。もう一度信じたい。」
そういった憂の横顔はとても綺麗だった。
もう夕方近くなって、風が優しくなってきた頃だ。
この時間帯の風は気持ちいい。
その風に髪をなびかせて笑う憂の横顔はゆっくりと顔を出してきた
夕日に照らされて時が止まればいいと思った。
こんなに女を綺麗だと思ったのは久しぶりで、
こっちまで顔がほころんだ。
どうしてだろう・・・。
今まで女なんてどうでもいいって想ってた俺が
こんな気持ちになるなんて・・・・。
この頃からだ忘れていたと思っていた感情がまた
新しく芽生えだしたのは・・・。