あいつはブタヤロウ
奴にかかれば、この世の全てがブランドとなる。
いつだったか、奴が満面の笑みで、俺に語りかけてきた。
「おい、この時計知ってるか?一応ブランドだけど」
彼が差し出した時計には、Ven Dome(ヴァンドーム)と書かれている。
もちろん、聞いた事もない名だ。
しかし、彼はまるで、その時計が自分のステータスの如く、周囲の人に自慢している。
が、誰も知らない。
もう一度、時計を見せてもらう。
「メイド イン チャイナ」
その後、二度と彼が、その時計を付ける事はなかった。
あいつはブタヤロウ
どんな物でも、ブランドに変える男。
そんなあいつに一言。
「気づけよ!!!」