Monstars Da-Capo?

キリン  2006-07-09投稿
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「はぁ……でも、行かないとよく事情がわからないですし……」

「ダメですよ。ダメです」

「でもですね」

そのままダメだ、でも、と押し問答になる。
このままでは埒があかぬ。
ウーはさっと広場に向かって駆け出す。
ギシギシと鳴る足。

「ちょっ、ウーさん!!」

広場に出た瞬間だった。
頬に突然、鋭い痛みが走って、そのまま思わず地面に座り込む。

「痛……」

ころり、と足元に転がる小さな飛礫。
そっと頬を撫でた。
どろり、と赤いものがついた。
恐る恐る顔を上げる。
そこにはニヤニヤといやな笑みを浮かべた村人たちと、あとは見知らぬ男たちの集団がその中央に立っていた。

「お前が『エグロンの魔女』だな?」

呆然としているウーに向かって、男たちのうちでも、いかにも屈強そうなひとりが前へと出た。

「我らは王宮騎士団魔導師連である。俺はその師団長であるダ・カーポ!」

ウーは大きく目を見開いた。「ダ・カーポ……!?」

ダ・カーポと名乗った男はにやっと太い笑みを見せた。「――ほう、魔女の間にも俺の名前は知れ渡っているようだな」

「『ダ・カーポ』、さんですか……」

いつのまに追いついてきたのだろう、気がつけば黒髪の猫背が隣に立っていた。

「アーガス、さん……?」

「おうそうよ。俺があの魔導師ダ・カーポ様だ! 何か文句でもあるってのか、このフニャチン野郎」

「いえ、別に?」

アーガスは顎に手をやって覇気なくニタニタしている。
ウーは我がことではないのに、その彼の態度に内心冷や冷やする。

「で? その『ダ・カーポ』様がこんなしなびた村に何の用でいらっしゃったんで?」

「魔女退治さ!」

大人たちの間から叫んだのはガザだった。



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