この気持ちを言葉に出来たなら、少しは楽になれたと思う。
でも絶対に言ってはいけない。
だってあなたはわたしの担任の先生。
絶対叶わない恋。
誰からも喜ばれない恋愛。
何で好きになったんだろう?
「佐久間ー」
あなたがわたしを呼ぶ。
それだけでわたしは舞い上がるの。
「これ後でクラス全員の集めて、職員室持ってきてな。」
ニコニコ笑うあなた。
その笑顔を独り占めできたらいーのに..
なんて思いながらあなたの背中を見つめていたら、一粒の涙が頬を伝わった。
こんなに好きなのに
誰よりも一番愛してるのに
誰よりも一番あなたのことを想っているのに
あなたは気づかない。
気づくはずがない。
ふと見たあなたの左手。
薬指のシルバーリングが、とても輝いて見えた。