小さな頃家の前にコンクリートの間だから咲いていた名前も知らないない花に異様に感動していた。夏は毎日水をあげて逆に雨が降り続く時は傘を挿して雨よけ代わりに挿していた時もあった。
けどその花は道路工事の時に一緒に取られてしまった。その時俺はかなり大泣きしたらしい。そんな話しを中3の時に話されたときは凄まじく恥ずかしい思いをした。
ともあれ不良やヤンキーに見られがちな俺にもそんなかわいい時期があったと言うわけだ。
「回想にふけっているねぇ亜希兎(アキト)」背後から人を馬鹿にしたような穏やかそうな声で話しかける人物の方に顔を向けると幼馴染みの友人「黒姫海音(くろひめしおん)」が立っていた。190?を越える奴が後ろで仁王立ちされるとかなりの圧迫感がある。「何だよ海音…ってかなんで俺が自分の思い出を回想してるって分かるんだよ!」 もちろんさっきの思い出は口に出してはいない。
「何故だか分かるんだよ!」
凄まじい適当な答え。怒りを越えて感動感が沸き上がってくる。
「でっ何か俺に用事があんの?」
「特にないけど一言 はよ帰ろうぜ!」
「…」
余りにも素っ気ない答えに言葉を失う。まぁ何時も事なのであまり気に止めることはない。
「じゃあ帰るか!」
とは言っても海音と俺が一緒に帰れる時間はほんの20程度。歩きで10分位いで電車乗ってから10分位いだけなのだ。俺は駅を降りてから更に50分位い歩いて家に着くことが出来る。バスはちゃんとあるのだが、ただ単に金がもったいないと思うからバスは使わないだけだ。たまに歩いているとふと脇にコンクリートの間だから咲いている花を見つけるが流石にあの頃みたいな行動はとってはいない。ってかとれない。
今日も暗い道の中歩きで帰っていた。