*裏切り*
次の日。
やっぱり弘樹は学校に来なかった。
美耶の浮気に傷ついたのか、腹がたったのか。
あたしがメールをしても、全然返事は来なくて。
美耶の自分勝手さに、あたしまで腹がたった。
「あ〜友!」
「…美耶…」
あたしの暗さに美耶は首をかしげた。
「友、どうかした?」
どうかしたじゃないよ…。
あんたのせいで…弘樹は…
傷ついてんのに…。
「ねぇ、友?」
バシッ
「さわんないでっ…!」
あ…どうしよう…
美耶…泣きそう…
「…友?」
聞き慣れたハスキーボイス。
こんな声を出すのは、弘樹しかいない。
「弘樹っ!」
美耶が弘樹に駆け寄る。
もぅダメだ…
「ひ…ろき…あのね…友が…」
「…さわんな」
聞いたことのない、低く冷たい声。
「…え?」
「…お前なんか…好きになんなきゃよかった……」
弘樹はあたしの手を引いて、屋上へ行った。
「…何よ!!あんたなんか大っ嫌い!!」
散々美耶は文句を言って、あたし達と違う方向に去って行った。
゙弘樹に笑って欲しかっだ
ただ、それだけだったんだ…。