想空 (6)

奈緒  2009-03-14投稿
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*裏切り*


次の日。
やっぱり弘樹は学校に来なかった。

美耶の浮気に傷ついたのか、腹がたったのか。

あたしがメールをしても、全然返事は来なくて。

美耶の自分勝手さに、あたしまで腹がたった。


「あ〜友!」

「…美耶…」

あたしの暗さに美耶は首をかしげた。

「友、どうかした?」

どうかしたじゃないよ…。

あんたのせいで…弘樹は…

傷ついてんのに…。

「ねぇ、友?」

バシッ

「さわんないでっ…!」


あ…どうしよう…

美耶…泣きそう…

「…友?」

聞き慣れたハスキーボイス。

こんな声を出すのは、弘樹しかいない。

「弘樹っ!」

美耶が弘樹に駆け寄る。
もぅダメだ…

「ひ…ろき…あのね…友が…」

「…さわんな」

聞いたことのない、低く冷たい声。

「…え?」

「…お前なんか…好きになんなきゃよかった……」

弘樹はあたしの手を引いて、屋上へ行った。

「…何よ!!あんたなんか大っ嫌い!!」

散々美耶は文句を言って、あたし達と違う方向に去って行った。


゙弘樹に笑って欲しかっだ

ただ、それだけだったんだ…。



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