サンタの仮面を被る人 5

国部希  2009-03-15投稿
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「ジリリリリリリリ」

 突然の出来事に、心臓が胸の皮膚を突き破って出てくるのではないかと思った。そして、体中が熱を失ったように冷えきってくる。
 今の音はなんだ。何が起こったんだ。部屋の外側から、微かに誰かの走る音が聞こえる。逃げなければ――そう思えば思うほど、体がいうことを聞かずに固まった。まるで金縛りだ。

 背後でバタンとドアが開き、泣きたくなった。一瞬のうちに頭によぎったのは、パトカーと刑務所。
 もうダメだ……お仕舞いだ。今だにおさまらない心臓の激しい動きを忌々しく思っていると、背後から声がした。

「サンタさん……ですか?」

 その声には自信がなく、どこか幼いものがある。
 ゆっくり、ゆっくり首を回して振りかえると、パジャマ姿の小さな女の子が立っていた。

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