汚染 56

ふく  2009-03-15投稿
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神様は私の味方なのだろうか
それともこんな私に悪戯をしているのだろうか

今日は残業だった
周りはどんどん帰って行ってしまう
結局私と貴方だけになった
偶然にしても複雑だった
二人の空間はどうしても息が詰まる
静かな空気が嫌で懸命に話を見付ける
会話が弾むというよりも無理をしている
好きな映画や好きな音楽
何でもない話を延々とした
そのうち貴方も仕事を終わらせて帰るだろう
それまでの辛抱
はっきり言って感情が邪魔をして仕事も捗らない

嬉しいよりも苦しい
貴方が片付けを始めた時はほっとした
一人になって何も考えずパソコンだけを見ながら仕事をした方が楽だろうから

望んではいない
貴方を見て『終わったなら帰っていいですよ』と言った
『私もう少しかかると思うし、一人で大丈夫ですから』
だって帰ろうとしないから
そうしてくれて構わなかったから

『一人じゃ寂しいでしょ』と優しさを見せる
またそうやって私に思わせ振りな態度を取る
『もう少しなら居てあげるよ』
どうして困らせる
断るのも悪い気はした
だから頷いた
とにかく早く終わらせようと頑張った

その間貴方は携帯で誰かにメールをしていた
待っている人がいるならもういいのに
そんな貴方を見るのは辛いだけだし

貴方の優しさには感謝している
確かに一人は怖いし心細いかもしれない
だけど貴方が私を向いていない事を知っている今
迂闊に喜んだりときめいたりは出来ない
優しさは逆に私を締め付けるだけ

結局途中で辞めた
これ以上は待たせられないし貴方もそれがいいだろうと思った

今から何処へ行くのだろう
何も知らなければご飯にでも誘うのに
『待っていてくれたお礼に』って口実だってあるのに

そんな事を思いながらパソコンを閉じた



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