厨房にうずくまる彼女。
どこも怪我はしてないようだったが。震えていた。
「あ…あなたは…いつもくる…」
俺の顔を見て少しホッとしたようにそう呟く彼女。
「いいから!とにかく出よう!」
せかす俺に申し訳なさそうに彼女は言った。
「こ…腰が抜けて歩けないの…。」
一瞬、立ち止まった俺だったが、次の瞬間には彼女を抱えて店の出口へ向かっていた。
「すいません」と何度も謝る彼女を抱えたまま店を出たが、どこへ向かえばいいのかはわからない。とりあえず、他のみんなが向かう方へ向かってみた。