すべてが運命なら

春樹  2009-03-15投稿
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次の朝遅く起きた私と一安は二人で散歩に出掛けた。

一安のお婆ちゃんの家は、私の実家からすごく離れていたので散歩をしても、見つかったりしない。

二人で居ると時が経つのが早かった。

いつの間にか陽は沈み始めていた。

「婆ちゃん家帰ろっか?」

微笑みながら一安が言った。

「うん」

私も笑顔で答えた。

家に着くと、一安のお婆ちゃんが銭湯に行けるようにお風呂セットを用意してくれていた。

そのお風呂セットを持って、私と一安は二人で近くの銭湯に行った。

勿論、お風呂は別々だ。

私はお風呂で考えた。

きっともうすぐ、親に見つかって家に戻される。

別々のお風呂に入るだけで、たったその10分ですらこんなに淋しいのに。

早く一安の顔が見たくなった。

私は、急いで全身を洗った。

そして急いで銭湯の外に出た私の目の前に、一安がいた。

「出てくんのおせーよ」

「ごめん」

空はもう暗くて、夏の涼しい風が吹いていた。

一安も同じ気持ちなんだ。

その夜一安と私は布団の中で、いつもより強く手を握り合い。

何も話さず。

ずっとその手が離れない事を願いながら、眠りについた。

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