俺は純平の家に泊めてもらった。
お通夜に気になった純平の母親の行動を聞くために。
しかし言い出せない。
そんな時、純平の母親が俺に話しかけてきた。
「学君、純平が殺した犯人捕まえてね。絶対にあの中にいると思うから。」
そう話す純平の母親を制止しようと父親が割って入って
「気にしないで。色々あったから。」
俺は小さく返事をした。
純平と俺は幼稚園からの幼なじみで、よくお互いの家にお泊まりする仲だった。
実際俺はホテルに泊まる予定だったが、純平の両親の願いで今夜はここに泊まることになった。
俺は純平の母親にさっきの続きが聞きたくお願いした。
「俺らの中に犯人いるってどういうこと?」
と、神妙な口調で
「いや、野々村 愛って子‥実はその子、純平の彼女だったんですよ。」
「えっ、本当?」
俺は驚き、何も出来なかった。
更に純平の母親は話を続けて
「それに勝沼は純平から借りた金も返さないし、大河内は純平によく仕事の件で話をしてたね。あと稲田、あの子は野々村さんと純平の間に入ってきてね‥」
母親は俺に愚痴をこぼしてきた。
しかし非常に興味深い話だった。
(純平の奴、野々村と付き合っていたんや。
それに稲田が入って三角関係かぁ‥。
勝沼は稲田の言ってた通り純平からお金借りてたみたいだな。
玲子も仕事上のトラブルがあるみたいだし。
でも待てよ‥どうして純平の母親はお通夜の最中、ずっと野々村を睨んでんたんだろう?)
俺は思い切って聞いてみた。
「あの、野々村さんと純平の間に何かあったんですか?」
「まぁ、それは別に教えられないね。」
純平の母親は両手に拳を作って怒りに震えていた。
俺はこの先何も話せなかった。