次の日もその次の日もみゆきはわたると毎晩のように語り明かした。
そんな日が続いたある夜…
「俺、来週帰るんだ。夏休みも終わるし、またあっち行って頑張らないとなぁ。俺が帰るからって寂しがるなよ(笑)」
『何言ってんの?(笑)また来年帰ってくるんでしょ。それにお正月とか〜』
突然…
ぎゅっと抱き締められた。
『どうしたの?冗談やめてよね〜(笑)』
「みゆきごめん…あの時…
みゆきの事ずっと好きだったんだ。今更もう遅いよな…」
中学校の卒業式みゆきはわたるに告白した。
しかし、わたるの答えは…
「みゆきはいい友達だよ。友達以上恋人未満ってなぁ〜(笑)」
なんて言ったわたるが…
昨日の夜は逃げる用に帰ってしまった。あの時はすぐに返す言葉が見つからなかった。昔のわたるみたいに軽く笑って返せばよかったかもしれない。でもあのわたるの真剣な顔を見たら…
次の日の夜、みゆきはわたるの所へ行けなかった。
次の夜もその次の夜も…
とうとう明日はわたるが帰ってしまう日。
今夜こそは、正直な気持ちを伝えよう。
あの海辺へ向かった。
「もう来ないんじゃないかって思ったよ。」
『…ごめん。この間の事なんだけど…』
「みゆきのせいじゃないだろ!俺こそごめん。」
そこにはいつもと変わらないわたるがいた。何ごともなかったかのように話続けるわたる。
辺りが明るくなり始めた頃、わたるがぽつりと言った。
「来年の夏もまた会いたいなぁ…」
『また鳴らしてよ☆ロケット花火(笑)』
「そうだな(笑)それまで元気でな。…ありがとう。」
そして、それぞれの家へと歩きだそうとした…
『あたしわたるの事今でも好き。だから来年も…』
と言いかけた時、もうそこにわたるの姿はなかった。
それから一週間位経った頃。わたるの友人から、ちょうど1年前の夏にわたるが事故で亡くなった事を聞かされた。みゆきは驚く様子もなく平然と聞いていた。
毎年7月7日。みゆきは決まってロケット花火を打ち上げる。それも決まって三回。
みゆきには見ることはできないけど、きっとそこにはわたるが………
終わり☆