すべてが運命なら

春樹  2009-03-16投稿
閲覧数[404] 良い投票[0] 悪い投票[0]

次の朝早く私と一安は、一安のお母さんが運転する車の後部座席に、並んで乗り私の実家へ向かった。

私の実家までは、50分もあれば着く。

車が走りだして40分は、私のあまり知らない道が続いていた。

だが、だんだん見慣れた景色に変わった。

もう実家に着く。

一秒ごとに、私の淋しさがましてくる。

その時不意に一安が私の手を強く握った。

「すぐ電話しろよ」

一安はお母さんに気付かれない様に、小さな声で私に言った。

一秒ごとの淋しさが、1時間後の安心に変わった。

そして遂に実家に着いた。

私の家の玄関から、父親が出てきた。

車から出たら、私は父親に怒られると思った。

一安は握っていた私の手を離して、一言だけ

「がんばれよ」

そう、真剣な顔で言った。

車から出て行った私を父親は笑った。

そして私の父は一安のお母さんに謝り、お礼を言った。

そうして一安のお母さんは車を走らせ、その場から去って行った。

父は怒らなかった。

「なにやってんだよ」

ただそれだけ笑いながら言った。

私が家に入ると居間に母親が座っていた。

「そんなに皆に迷惑かけて、何が楽しいの?」

母親は、まるでこの世の終わりかの様な顔をして声のトーンも変えずにそう言った。

「別に何も楽しくない」

私はそう答えて、自分の部屋に逃げた。

そんな私を父親が追ってきた。

父親は私の気持ちもわかると言った。

そして母親はすぐに感情的になるけど、その気持ちもわかってあげて欲しいといった

父親の話はそれだけだった。

話が終わってすぐ私は一安に電話した。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 春樹 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ