忘れられない記憶。
嫌なのに、忘れたいのに。
私の脳みそは意地悪で、そう思うたびに強く強く刻みつけて忘れさせまいとする。
悲しみを背負って生きられるほど強くはなかった。
人目をはばからずに生きられるほどたくましくはなかった。
弱い自分。
忘れたいのに、もう嫌なのに。
何回頭をぶつけてみても、別の用事でいっぱいにしてみても。
襲いかかってくる、私のこれまでの歴史、残酷な過去。
今は過去の延長線上にあるから。
過去をなくせば今の自分でいなくてすむかもしれない。
なんて。
なんて弱い。
今の自分さえも否定したら、私には何も残らないというのに。
人がうらやましく思われるのは常で、いつだってそう。
自信のない私、臆病な私。
人を傷つけたくないのは、自分が傷つきたくないからだ。
とんでもないエゴ。
それを優しさだと勘違いしていたなんて。
……こんな弱音を吐きながら座り込んだままじゃ、何も変われないって、わかってはいて。
そろそろ立ち上がってみようか。
それとももう少し愚痴を吐いていようか。
とにかく。
いつかは立ち上がって、進まなきゃいけないのは確かだ……。