俺は純平の家の客間で寝させてもらった。
純平の家は昔ながらの旧家でかなり大きかった。
俺は布団に入って携帯電話をチェックした。
会社の同僚からのメールが届いていた。
明日の件でのメールだった。
俺は同僚にメールを返信した。
(「明日も休む。」と‥)
もちろん明日の朝に会社に電話するつもりだ。
しばらく俺は布団に入りながら携帯電話を弄っていた。
(待てよ。)
俺は携帯電話に かつぬま と打ってみた。
(ふ〜ん、これだけだったんだな‥ダイイングメッセージは。)
しばらく俺は携帯電話の液晶画面を眺めていた。
「かつぬま‥この文字を変換してみたら。」
俺は かつぬま を色々変換してみた。
勝沼…カツヌマ…
(英文字と数字にしたらどうだろう?)
AILP、24445557
(あはは、意味わかんねぇや。)
俺は諦めて布団を被った。
「もう寝よう‥」
しかし寝ようと思っても眠れない。
(ちょっと待てよ。もしかして‥)
俺はもう一度携帯電話を取り出し確かめた。
「これって、もしかしたら‥」
俺は明日の告別式、そこで犯人を突き止める覚悟をして何とか眠ろうと布団を頭から被って寝た。
翌朝、俺は眠い目を擦って純平の両親のいるダイニングに向かった。
「おはようございます。」
喪服姿の純平の両親と一緒に朝食をとった。
俺はまだTシャツに短パンというラフな格好、そんな自分に恥ずかしかった。
「昨夜はよく眠れた?」
純平の母親は俺に気を使った感じで話しかけてきた。
「えぇ、まぁ‥さすがに純平がいないと一人じゃ。」
俺なりに気を使った。
「あっ、そう‥」
寂しい口調で会話も続かない。
俺は朝だというのにぶしつけに純平の母親に質問を一つした。
「あの純平と野々村、別れた理由って何ですか?それと純平が殺された日の様子も教えてほしいんだけど。」
純平の母親は俺を睨んで
「いきなり何を聞くの?」
「いや、犯人がわかったんです。」
「えっ? 犯人が。」
「はい。 あとは犯人の動機さえ解れば‥」