『今日ね、ちゃんと言えなかった時の為に・・・秀にラブレターを書いてきたの・・・。』
『・・・マジで・・・!?』
『でも、さっきもう全部言っちゃったから、あんまり意味無いんだけど・・・。すごい悩んで、一生懸命書いた手紙だから・・・受け取ってほしくて・・・。【・・・はい・・・】』
私は秀にラブレターを渡した。
『ありがとう・・・。あとでちゃんと読むから・・・』
『ダメ・・・今読んで・・・!』
『えっ!?今読むの・・・?ここで・・・?』
『・・・うん・・・』
『でも、こうゆうのって・・・帰ってから読んだ方がいいんじゃないの・・・?』
『そうだけど・・・。読んでもらえたのかどうか、すごく気になっちゃって・・・また不安になるから・・・。だから、どうしても今読んでもらいたいの・・・。』
『そっか・・・わかった・・・』
そう言って、秀はラブレターを開けた・・・。
淡いピンクのサクラに、小さなクマが描かれたレターセット。
『これ可愛いでしょう〜!色々悩んで桜にしたんだけど・・・何で私が桜を選んだのか・・・わかる?』
『・・・桜が好きだから?』
『それもあるけど・・・、いつも一緒に歩いたのが、この桜道でしょう・・・。私と秀が出逢ったのも、ちょうど桜の咲く頃だった。
だけど、二人で桜を見ることは・・・一度もできなかった・・・。
出逢いも別れも、いつも桜の季節だったから・・・。桜は・・・私にとって大切な秀との想い出なの・・・。だから、せめて最後くらいは・・・一緒に桜が見たかったの・・・』
本当は秀にも・・・桜の季節が来たら、私のことを想いだしてほしくて・・・。
でもこれは、言えなかった・・・。
『・・・凄い深いねぇ・・・』
『うん・・・。この桜の意味は本当に深いから・・・。だから、大事にしてね・・・』
『うん。大事にするよ・・・』