ここまで来たらもう大丈夫だろう。
すぐ後ろで早瀬が息を荒げている。
「ごめん。走りすぎたかな。」
「うっ、ううん大丈夫やよ。」
早瀬が無理矢理笑いながら言った。
結構走ったし、女の子にはキツかったかもな。
そこで手で何か柔らかいものを掴んでる気がした。
早瀬の手だ。
「あっ、ごめん!」
すぐに手を離す。
「えっ?」
よくわかっていないようだ。
どうも俺は女の子に免疫がない。
中学のころは柔道ばっかりであまり話さなかったからだ。
しかも早瀬は可愛いから余計にだ。
「あっ、修二君ありがとう。」
「いや、いいよ気にしないで。でもあそこで助けてはやめてほしかったな。穏便にはいきそうもなかったし。」
「そんなん言われても…怖かったんやもん。」
ヤバい。
マジで可愛い!!
「修二君て強いんやねぇ。ホンマ、ビックリしたよ。」
「そんなんちゃうよ。あれはすきをついただけやよ。」
あっ、まずい。
「あれ?」
早瀬が何かを疑問に感じている。
気付かれたか?
「修二君て、もしかして関西出身?」
あぁ、気付かれた。
結構俺の知り合いは知らない。
俺はこうみえて関西出身なのだ。