「これなら…いける!」さっきまで鋼鉄とも思えた夢乱の体はあっさりと切り裂かれた。再びひらりと舞い降りたカケルの後には浄化されていく夢乱がいた。
憂希町…夏休み…。
あれから数カ月…カケル、ユータ、空、未来の活躍により、現世…つまり憂希町の平和は守られていた。
「え〜…であるからして、事故や健康に気をつけて…」
「長いっスね」「だね…」さんさんと照り付ける太陽の下、校長の長々スピーチは続いている。
頬に当たる風は撫でるようにすりぬけていく。
太陽が眩しい。「で、あるからして、いっぱい楽しむように、以上!」
ワァワァ?歓声があがる。これから夏休みが始まるのだ。
「夏休みかぁ!」わくわく気分のユータははしゃいでいる。
「まぁ…楽しむのもいいよね」 「パトロールも大事だけどね」「まじっすか?!」ユータ、空、未来のさんにんははしゃいでいる。カケルは一人青空を眺めていた。
「カケル?」未来の黒い髪が風に揺れている。
「いや…なんでもないよ」「そう?ならいいけど…あ、そうだ…あのね?」カケルの視界に綺麗に整った顔が映る。一瞬こころがドキドキする「な、なに?」
「これから天界に来てほしいの」