すべてが運命なら

春樹  2009-03-17投稿
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それからしばらくは、幸せだった。

毎日一安と過ごし、一安の両親もすごく私に良くしてくれた。

私はどんどん自分の家に帰らなくなっていった。

毎日一安の家に泊めてもらった。

私が自分の家に帰るのは、いつも昼間。

誰も居ない時を見計らい着替えを取りに行っていた。

本当は帰りたくなかった。

だが、一安のお母さんに

「泊まるのは、かまわないけど一日一回は帰ってちゃんと親に顔見せなよ」

そう言われていた。

私が毎日帰らない事を私の父親は許してくれていた。

というより、許さないと言っても辞めないと諦めていたんだと思う。

母親には何も言ってはいなかったが、当然解っていた。

母親は私が一安の家に行くのを何度も止めようとしていた。

「毎日毎日遊び歩いて、仕事は探さないの?高校はどうするの?」

母親は、もう疲れきっていた。

「知らない、高校はもうやめる」

私からの素っ気ない返事に母親は泣き出す。

もう一安と付き合って半年、母親の笑顔をみていない。

その日も私は母親の言う事など無視して、一安の家に泊まっていた。

もうすぐ23時になろうとしてる頃だった。

一安の家のインターフォンが鳴った。

玄関のドアを一安のお母さんが開けた。

そこには私の両親が立っていた。

私の母親は一安のお母さんに泣きながら怒鳴り始めた。

「あゆ帰してよ」

母親は一安のお母さんの腕を掴もうとした。

私は急いで玄関に行き自分の母親を突き飛ばした。

「止めてよ、一安のお母さんは何も悪くないでしょ」

母親の涙の勢いが増していく。

その様子を横で見ていた私の父親が、母親を車に戻した。

父親はいつも冷静だった。

「何、あれ?お父さんはいいって言ってたじゃん」

私は、父親を攻めた。

「今日は帰って来てやれよ、もう止められなかったんだから」

父親は、私と母親の板挟みだった。

「あゆ、帰りな」

一安のお母さんにも、そう言われ。

父親と私は一安のお母さんに謝りその日は自分の家に帰った。

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