私は自分の家に帰ってもやっぱり淋しかった。
母親は私を無視している。
私には兄と弟がいるが、兄は仕事で遅くまで帰って来ない。
まだ小学生だった弟は、母親が可愛そうだと、私の手を鉛筆で刺した事があるくらい私を嫌っていた。
部屋でボーッとしていた私の携帯に元彼から電話が来た。
「今、何処に居るの?」
元彼が聞いてきた。
「家だよ」
「今から逢おうよ」
突然の誘いだった。
私は、何故かその日元彼の家に行った。
元彼はずっと私の悩みを聞いてくれた。
気付いたらもう朝日が昇り始めていた。
それでも、私の話は止まらなかった。
夕方、私が自分の家に帰る途中一安から着信が入った。
私は喧嘩をしていたので、その電話を無視した。
そして一安は何度も着信を入れた後、留守電にメッセージを残していた。
私はその留守電を再生した。
「お前今日何してたの?あいつと逢っただろ、もう解ってるから次、電話出なかったらお前も、あいつもマジで殺すから」
一安の激怒した怒鳴り声。
留守電を聞いてすぐ、私は一安に電話を掛けた。
「ごめんなさい」
私は謝るしかなかった。
「お前、今何処にいんの?」
一安が感情を抑えきれなくなっているのが、電話越しに伝わってきた。
「いいや、お前すぐこいよ」
「うん」
「お前が来たら殺すから」
「うん」
私は急いで一安の所へ向かった。
10分もしないで、私は一安の所に到着した。
一安は電話の時よりも落ち着いていた。
私が元彼と逢ってたのを一安が知った理由は、元彼と一安の共通の友達がその日元彼のお母さんに偶然逢って、私の事を聞いたので一安に知らせたという事だった。