「今度 肩から栄養とる管を入れる手術をするねん。 吐き気で食べられへんし貧血ひどくて… もう三回救急車乗ったでぇ」
内容に似合わない明るい口調でそう言いながら足をさすって話し続けた
「むくんで靴が入れへん〜」キョウの足は倍程になっていた。「病院変わったら?やっぱり」 キョウの通う大きな病院の評判は善くなくいつも私は転院を薦めていた。あの病院に行くと癌患者はもたない… 昔からこの辺りでは有名な噂だ。
「でも 何処へ行っても同じ治療やってゆわれたし。1から又検査とか無理やん?そんな体力無い」そんな理由で転院は考えていない様だった。数ヵ月振りに遊びに来たキョウが買って来てくれたケーキはもう数時間 半分以上残したままお皿の上だった。「もういいわ…」
一口食べるのがやっとの状態のキョウを見て決して良い状態では無いのが伝わってきた。その日もいつもの様に子供の事や 最近の体調、歌や服の話、テレビの話題等話し 夕方にキョウは帰っていった。以前なら晩御飯は一緒に食べていたけれどそんな時間まで外出する体力はもう無く、私が作った夕食を食べる何てとても無理だったのだ。
「また 動けそうな時連絡するなぁ」 「うん! 待ってるわぁ」 それがキョウと最後の会話になった…
その二ヶ月後にキョウは逝ってしまった。