「えっと、父さんが大阪出身なんだ。それで昔ちょっとだけ大阪に住んでたからちょっとうつってんだ。」
「そうなんや〜。もしかしてやねんけど、大阪の泉州の方?」
「あぁ、そうだよ。よくわかったな。」
「やっぱりそうなんや。なんかそんな気がしたねん。」
早瀬が笑いながら言う。
「そうだ。ちょっと話変わるけど、早瀬ってしたの名前なんて言うの?知り合いに市瀬ってのがいるからさ。なんか微妙にかぶってて。」
「したの名前?えっと椿(つばき)やで。」
「椿ちゃんか。わかった。」
「あっ、あたしそろそろ帰らんとお母さんに怒られるねん。やからまた明日。」
「待って。椿ちゃん家近いの?」
「えっと、電車乗って、中野の一個手前の駅やけど。」
「俺定期圏内だから送るよ。また絡まれたら世話ねぇからな。」
「そんなん悪いよ。あたしは大丈夫やよ。」
「さっき絡まれてるの見たら、一人で帰らせられねぇよ。俺今日は暇だから。」
「ホンマにええの。」
「ええよ。」
「ありがとう。」
駅の方に歩いていく。
今日はいろいろある1日だな。
修二はそんなことを考えながら椿と一緒に駅に向かった。