「これは…？」
城内にいる兵士達は溢れ出た闇の輝きを見て、驚いたような表情で腰の剣に手を掛けた。
「うん…？」
兵士達はその闇の輝きの中にある暖かい感触に、心が満たされたような感じがして、思わず首を傾げた。
「何て暖かい輝きなのかしら…」
アリネスは一つ小さく息を吐いて、うっとりとしたような表情で闇の輝きを見つめていた。
「左様ですな…」
リグラとルークはその言葉に頷いて、目を細めながら闇の輝きをアリネスと同じように見つめていた。
「エリクシオン…」
「…？」
アリネスの呟いた言葉を聞いて、リグラは不思議そうな表情で彼女に目を移した。
「これは…エリクシオンだわ。…そうよ、間違い無いわ」
「…エリクシオン…何故、そう思われますか？」
「だって…」
アリネスは柔らかな表情でリグラの方に顔を向けると、愛らしい笑みを浮かべた。
「私も、エリクシオンと一緒ですもの」
この城に居て、この国を憂い、この国に希望を持ち、この国の人たちの為に居る。どんな形であれ、エリクシオンはそんな役目を担ってきたはずよ―＼r
アリネスは心の中でそう呟きながら、闇の輝きが溢れ出た空に目を移した。
「エリクシオン…ありがとう…」
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