「ここ?」
着いた場所は大きな家が立ち並んでいた。
その中でさらに大きい何軒かのうちの一軒。
それが早瀬の家だった。
「うん。こんな場所まで送ってもらってホンマにごめんなぁ。」
「いいって、気にしないで。そんじゃ帰るわ。また明日。」
「バイバイ。」
そう言って早瀬を送って帰った。
次の日の朝。
「そういえば、悠。お前、俺のクラスの早瀬って知ってるか?前話したときお前の名前知ってたんだけど。」
「早瀬…あぁ〜椿ちゃんか。知ってるよ。去年クラス同じだったから。」
「なるほど。それで知ってたのか。」
「それにしても。修二から女の子の名前聞くなんて久しぶりだなぁ。なに?惚れたの?」
悠が笑いながら言った。
「そんなんじゃねぇよ!!」
「でも修二。椿ちゃんレベル高いよ〜。去年だけで他クラス含めて十人くらいからコクられたらしいしね。」
そりゃすごい。
そんな子って本当にいるもんなんだな。
「それに椿ちゃん自身ガード固いらしいし。というか修二が椿ちゃんと話したことがある方が俺にはビックリだけどな〜。」
「うるせぇよ。てか、昨日お前が早く帰りさえしなきゃあんなめんどいことなんなかったんだよ!!」
「その話聞きたいけど、このままじゃ遅刻だな〜」
「悠、走れ!!」
「自分が話してたのに。これって結構理不尽じゃないかな〜」
チャイムが鳴る1分前。
二人は全力で走り出した。