すべてが運命なら

春樹  2009-03-19投稿
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一安は、私が別れを口にすると怒り出す。

だから、一緒にいる。

そう思ってた。

その日一安と一安の弟と一緒に出掛けた先で、一安と私は喧嘩をした。

私は

「帰る」

それだけ言って帰ろうとしたが、もう最後のバスが行ってしまっていた。

帰れない。

私は一安の家に帰ろうとしていたが、一安の家まで歩いたら3時間近くかかる。

3時間後は、真夜中だ。

そんな時間に帰ったら一安の両親に私も一安も怒られる。

やむを得ず私は、そばの駐輪場から自転車を盗んだ。

そして急いで一安の家に向かった。

一安の家に着くと、一安のお父さんとお母さんが居間にいた。

「一安達は?」

少し怒った様にお父さんに聞かれた。

「もうすぐ、帰ってくると思います」

私は本当にそう思っていた。

「一緒じゃないのか?」

お父さんは、不思議そうに聞いてきた。

「一緒だったんですけど、一安に先に帰ってる様に言われて…」

私は、とっさに嘘をついた。

「こんな時間に一人で帰ってきたら、危ないだろ、なにやってんだよ一安は」

お父さんは激怒した。

「もう帰ってくるよ」

一安のお母さんがお父さんを、なだめてくれた。

だが一安は、いっこうに帰ってくる様子がない。

私が家に着いたのは12時頃だったが、もう1時を廻っていた。

「帰って来ないじゃねーかよ」

お父さんは怒り心配している。

「あゆ一安と途中まで一緒に帰って来たんでしょ?」

お母さんに聞かれた。

もう嘘は付けないと思った私は、一安と喧嘩して、先に帰って来たことを正直に話した。

「じゃぁあゆが家に居るの知らないの?」

一安のお母さんが優しく聞いてきた。

「はい、ごめんなさい」

私は嘘付いた事を謝った。

「あゆが謝んなくたっていいんだよ、また一安がわかまま言ったんだろうから、じゃぁ、そのまま友達と遊んでるかもしんないね」

お母さんは、落ち着いた声でそう言った。

「じゃぁ待っててもしょうがないから、寝るよ、あゆも寝な」

お母さんは続けざまにそう言って、私に笑いかけてくれた。

だが、布団に入っても私はなかなか寝れず一安の友達に電話をした。

しかし、誰も一安の居場所を知らなかった。



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