?崖淵斜陽館21

亜樹  2006-07-09投稿
閲覧数[541] 良い投票[0] 悪い投票[0]

魔物が住まう、崖淵斜陽館、今宵は如何なるお客様が、おいでに成りますでしょうか。



時代は幕末、貧乏浪人が海辺で釣り糸を垂らしていた。
「仕官も出来ない、傘張りの仕事だけでは、暮らして行けないしな、どうしたもんかな」

最早、長屋の家賃も、かなり滞納していた。
釣り処では無かったのだか、食事にも在り付けない状態で釣りをしていたのでございます。

其所へ、見慣れぬ透明な瓶が波で、近くに打ち寄せられた。

貧乏浪人は売れるかと思い、漂流していた透明な瓶を竹の釣り竿で引き寄せたのだった。

透明な瓶の中にはピンクの液体が入っており、コルクの蓋がしてあった。

売るには、惜しい感じがして、蓋を開けた瞬間だった。


ピンクの液体が気体に変わり瓶から飛び出ると、大きな魔人が現れた。

浪人は驚きの余り腰を抜かした。
魔人「よくぞ開けてくれた、願いを3つ叶え様」

浪人「助けて〜」

ハイズリながら、目の前の恐怖から逃げ出した。

魔人は、欲の無い奴だなぁと、一つ呪文を唱えると、空高く消えてしまった。

魔人の言葉が浪人には伝わらなかったのだ。

しかし、貧乏浪人が長屋に帰ると、温かな食事が用意されていた。

翌日、ひょんな事から志願が叶ってしまった。

魔人は、助けての意味を広く捕えたのだろうか。


次のお客様は、貴方かも知れません。
崖淵斜陽館から、低く笑い声が木霊した。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 亜樹 」さんの小説

もっと見る

SFの新着小説

もっと見る

[PR]
男子が夢中になる
ウルウル唇で誘惑…♪


▲ページトップ