ナミエさんが現れて、早速言った。
こういうのは、思い立ったが吉日ね。合宿をしましょう。もちろん事務所にはナイショよ。ボランティアだから。
2日後には、三人はナミエのツテでスタジオにいた。
この人達は凄すぎる…。
「ちょっ、ちょっと休憩しませんか…」
クミは息を切らせてやっと言った。もう三時間は歌い、踊りっぱなしだった。
「ん、じゃあ、ちょっと休みましょうか」
ナミエは涼しい声で言う。
アユミは「そうね」と言いつつ、自分の踊りを鏡でチェックしていた。
クミは気が遠くなった。
化け物だ…この二人…。
朝イチで集まり、皆で詩を書いて、曲をつけた。それに合わせて振りを付けて稽古をしていたのだが、クミはこんなにハードだとは思わなかった。
「問題は発表する場ね…」
アユミが呼吸を整えながら言う。ナミエの眼が妖しく光る。
「ギャラクシーラリーって知ってる?」ナミエは言った。
「あぁ、名前は聞いた事がありますよ。何か車のレースでしょう?」アユミの呼吸は既に正常だった。
「えっ、レースに出るんですか?」クミは、まだ息を切らせて言う。クミも名前位は聞いた事があった。
「ん〜。何か、マイナーな大会だけど、ひたすら走る人達を応援するのもいいかなって。まぁ出てもいいけど」とナミエ。
「あっ、それいいっすね」
アユミが軽く言う。
こうして、三人の歌姫は大会に華を添える事となった。