すべてが運命なら

春樹  2009-03-20投稿
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甘える為の第一歩。

私は自分の家に帰り三日間家で過ごした。

私の携帯電話は折られてしまって、持っていなかった。

一安が私の家に電話しても、私の親は取り次がない。

三日後私は一安に電話した。

電話に出た一安は連絡が取れなかった事を少し怒っていた。

「お前、なんで連絡してこないんだよ」

「ごめん、親がうるさかったから」

私は嘘の言い訳をした。

「で、今日は家来れんの?」

一安は、普通の口調で聞いてきた。

「今からは、逢わないの?」

私は今まで一度も言えなかった「逢いたい」という台詞を言いたかった。

「夜こいよ、俺今から出掛けるから」

冷たい一安。

「なんで?」

「逢いたい」と言いたいのに、言いかけると、喉に何かが詰まった様に声が出なくなる。

返事が怖い。

もたもたしている私に一安が

「じゃぁ、夜ね」

そう言って電話を切ろうとした。

「ダメ」

私は、焦ってそれを止めた。

「なんだよ、もう行くんだから後でね」

「逢いたくないの?」

やっぱり言えない。

こんな状況じゃ確実に断られる。

「お前、三日間も連絡しなかったんだから反省してろよ」

一安は他の事に夢中で私の気持ちに気付いていなかった。

そのまま電話は切れた。

私が言いたかったのは

「逢わないの?」じゃなくて

「逢いたくないの?」でもない。

「逢いたい」それだけだったのに。

一安には甘えられない。

第一歩を踏み外した私は、また三度目の浮気をした。



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