みんなが向かった先には市営のグラウンドがあった。
小さな町なのに、こんなに人がいたのかというぐらいたくさんの人がいた。
子供を探す親の声や、親とはぐれて泣く子供の声で普通の空気じゃなかった。
とりあえず彼女を近くに降ろし、俺もその場に座り込んでしまった。
彼女が呟いた。
「何でこんなことに…?」
ふと、彼女の方を見たが答える気はしなかった。いや、答えなんて俺が知ってる訳無い。ただ予想は出来たが。
とりあえずタバコに火を付けた。
それを見た彼女が言った。
「成人だったの?」
思わず笑う俺。