僕は小学生の時、いわゆる「いじめられっ子」だった。
理由は簡単だった。
僕が転校生だったからだ。
どこの学校にも目立ちたがりやのガキ大将はいるもので、この学校も例外ではなかった。
「シンタ」と言う奴が正にガキ大将だった。
転校生は嫌でも目立ってしまうもので、シンタはそれが気に入らなかったらしい。
数日が立つと誰1人、俺に話しかける奴はいなくなっていた。
そこから始まった。
上履きを隠されたり、無視されたり。
全ては、シンタの指示だった。
毎日毎日、正直キツかった。
ある日、体育の授業でサッカーをやった時の事。
競り合いの中で僕はシンタを突き飛ばしてしまった。
もちろん故意ではないが、シンタは怒っていきなり殴りかかってきた。
その時僕は初めて他人に殴られた。
いきなりの事で、軽いパニック状態になっていたのを覚えている。
気が付いたら、僕は担任の先生に押さえ付けられて、身動きがとれなくなっていた。
目の前には、鼻血を出して泣きそうなシンタがいた。
初めて「キレた」瞬間だった。
この事は大問題になり、職員室でひどく怒られた。
そして
次の日から「イジメ」はピタリとなくなっていた。