*好き*
「…俺と付き合ってくれませんか?」
顔を真っ赤にした弘樹の目は、真剣だった。
「…はい…」
力強く弘樹はあたしを抱き締めてくれた。
あたしも弘樹に合わすように抱き締めた。
このまま…
時間が止まればいいのに…
そしたらずっと…
弘樹と一緒に居れるのになぁ…
「…友」
「ん?」
「…どこにも行かんでね…」
哀しそうに笑う弘樹。
「…どこにも…行かないよ…弘樹の側にいるよ…」
「また泣く〜!(笑)」
涙で濡れたあたしの頬を指で吹く。
「…弘樹は…1人なんかじゃないよ…」
独りぼっちじゃ…ないからね…
「…お前とだったら、ずっと幸せだよ…」
2人の影が重なった。
弘樹、
あたしはどこにも行かないよ。
だから、ずっとずっと笑っててね?
あたし、弘樹を失ったらきっと…
笑顔も失っちゃうから……。
「弘樹!」
「おう!大和!」
「あれぇ?友…」
大和は手を繋いでるあたしと弘樹の顔を交互に見た。
あたしと弘樹は、顔を見合わせながら笑った。
「どーゆーこと!?」
「いやいや〜、見てのとおりだけど?」
弘樹が威張って言うから、大和があたしの顔をじーっと見た。
ヘラって笑ってあげた。