想空 (11)

奈緒  2009-03-21投稿
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*好き*


「…俺と付き合ってくれませんか?」

顔を真っ赤にした弘樹の目は、真剣だった。

「…はい…」

力強く弘樹はあたしを抱き締めてくれた。

あたしも弘樹に合わすように抱き締めた。

このまま…

時間が止まればいいのに…

そしたらずっと…

弘樹と一緒に居れるのになぁ…


「…友」

「ん?」

「…どこにも行かんでね…」

哀しそうに笑う弘樹。

「…どこにも…行かないよ…弘樹の側にいるよ…」

「また泣く〜!(笑)」

涙で濡れたあたしの頬を指で吹く。

「…弘樹は…1人なんかじゃないよ…」

独りぼっちじゃ…ないからね…

「…お前とだったら、ずっと幸せだよ…」

2人の影が重なった。

弘樹、

あたしはどこにも行かないよ。

だから、ずっとずっと笑っててね?

あたし、弘樹を失ったらきっと…


笑顔も失っちゃうから……。

「弘樹!」

「おう!大和!」

「あれぇ?友…」

大和は手を繋いでるあたしと弘樹の顔を交互に見た。

あたしと弘樹は、顔を見合わせながら笑った。

「どーゆーこと!?」

「いやいや〜、見てのとおりだけど?」

弘樹が威張って言うから、大和があたしの顔をじーっと見た。

ヘラって笑ってあげた。



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