「で、何ジン?」
「ナショナリティーは分かんないよ」
「じゃなくて名字」
「…知らない」
「まあ芸能人じゃない事は確かか…」
私は朱巳に"腹の傷跡"を見せながら質問に答えていた。そして彼はメモをとっている。
「んじゃ"マグロ"に渡してくるわ」
"マグロ"というのは魚介類ではなく、人間の形をし、人間と同じ感情を持つロボットだ。これは彼が作ったのではなく、政府が作った戦闘型ロボットであり、ロボット自ら戦争に反対逃亡し、電化リサイクル店の後継ぎの彼に出会い、彼の父によって"人間"になったのだ。「暇だな」という感覚を持っているせいか、人捜しをしている。
彼が学校に行って数分後…
マグロが来て「ジン」の捜索結果を発表した。
「多分"殺人鬼"と思う」
「さ、殺人鬼?」
「『殺したい時に殺すのがモットー』の『殺されたい殺人鬼No.1』らしいぞ」
「で、いたの?」
「殺された、かも」
「かも?」
「何ていうのかなジンを"神様"って呼んでる奴の小説のブログがあって『神様刺しちゃった。そして"GOD"って彫ってやった。あーあバタフライナイフが"特別な赤"によって染まってゆく。神様が昇ってゆく。神様がやられてる───(笑)』って」
「ひど…」
ほとんど一部始終を語ってるようだ。もし神様がいるなら、そんなに殺したいのだろうか?