「それ以上の意味は無いわよ」
ユミナは鼻で笑って、剣を地面に叩きつけた。
「…じゃあ、一つだけ答えて下さい」
「何?」
「貴方はその力を得て町の人たちを殺した。その動機として、『人を殺す経験が欲しかったから』と言っていますよね。では、どうして殺す経験が欲しかったんですか?」
「…」
「父親を殺す為?違いますよね。だって、雇い主に殺してもらっているんですから。ならば、僕を殺す為?これも違いますよね。僕を殺す事は町の人たちを殺す事より簡単だったはずですし。では、一体貴方は誰を殺すつもりで力を得、その経験をしていったんですか?」
「…」
ユミナは不機嫌そうな顔をしながら、無言で目を泳がせていた。
「…ライル・ウィンストン。僕の父さんを殺すつもりだったんじゃないんですか?」
「!」
「え!?」
周りにいる人たちはその言葉に驚きの声を上げた。
「貴方は自分の父親が何度挑んでも僕の父親に勝てなかった事で、自分達の生活が狂わされたと、ずっと考えていたんじゃないんですか?」
「違う!」
ユミナは怒りの表情で叫んだ。
「貴方が心から憎んでいたのは自分の父親ではなく、本当は僕の父親だったんじゃないんですか?」
「違う!」