──忘れたいのに
忘れられないのはね
忘れたい、
って思ってる時点で、
すでに忘れられないこと
なんだから当たり前
なんだよ──
そうだねっ
あたしもそう、
痛いほどそう思うよ?
違うな.
思うんぢやなくて
痛いくらい
思い知らされたな
って
高1の秋から
高2の冬まで
自分の頭の中にある
まだ何も書いてない
真っ白なページに、
書いたら最後
絶対書き直しの
きかないような
真っ黒な油性ペンで
書き出したっ。
1年間ずうーっと
休むことなく
書き続けてきた、
記憶ってゆうか
思い出ってゆうか
想い出ってゆうか、
とにかく
長い永いながーい
日記を書き続けてきた
けどあたしは
もうその日記には
文字を文章を
想い出を書かない、
書けない
むしろ消そうー
消したいー
消さなきやー
って、ね?
でも
あたし馬鹿だねー?
油性ペンで
書いちゃった、
馬鹿野郎だね
消したいのに
消えないんだって
どんなに消そうと、
のーとがちぎれる程
力いっぱい消しゴムで
何度も何度も消しても
消しても消しても消しても、
油性だから消えないっての
消えてくんない
どんなに忘れようと、
努力しても努力しても
なにをどうしたって
忘れさせてくんない
のーと
もうボロボロ
いっそ破ろうかと、
壊そうかと思った
でも弱いね、、
そんなことできないって
自分の弱さに
絶句。呆れた。
もう嫌だって
今までのが全部
夢
で、
全部全部全部
なかったことに
できればいいのにって
思う
こんな失敗
こんな苦痛
こんな悔恨
こんな不幸の
連鎖の中で
あたし
分かったこと
気付いたことあるよ
忘れたいから
忘れる努力するんじや
なくて、
忘れられないから
それはそのままにしておく、
記憶なんて
消せないなくせない
だから
自分が成長した
生きてきた
証拠、足跡として
ずうっと残しておこう
って
思う
そう、
こうやって
あたしは
歩くよ
この先も
立ち止まらず
ずうっと
疲れたら
たまに
休憩もしながら
ずっと
踏みしめる
自分で決めた道を
自分が生きた証拠
足跡を残しながら
歩くよ