すべてが運命なら

春樹  2009-03-23投稿
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私の予想は当たり、妊娠を報告した次の日一安と喧嘩をした。

でも、その日の喧嘩は違っていた。

その日一安の家族は出掛けていて、私と一安は二人っきりだった。

「俺の子じゃねーから」

一安のその言葉から始まった。

「でも、産む」

その日の私に沈黙はなかった。

一安は私のお腹や腰を蹴ろうとしてきた。

私は必死にお腹を守り続けた。

「やめてよ、そんな事したって無駄だから、結婚してなんて頼んでないし、一人で産むから、もうやめて」

私は怒鳴った。

「そんな事出来る訳ねーだろ、いいから降ろせよ」

一安も怒鳴った。

「ヤダ。そんな事一安に決める権利ない」

私はお腹を触りながら、そう言った。

「ダメだよ、降ろせ産ませねーから」

突然冷静になった一安は、呆れた様子でそう言うと、その場から逃げた。

私は台所に行き、一人しゃがみ込み考えていた。

すると、私の目から涙が溢れ落ちた。

そこに、また一安が来た。

「泣いてんの?」

「別に泣いてない」

「お前泣いても、ダメなものはダメだよ」

「そうゆんで泣いてる訳じゃないよ」

そんな会話をしながら、私は一安に背を向けて、目の前にあった包丁を手に取った。

「そんなに、赤ちゃんに死んで欲しいなら一安も死になよ」

私は、そう言って振り返った。

「は?殺してみろよ」

包丁を持っていた私を一安が挑発した。

「じゃぁ、殺す」

そう言いながら、勢いよく一安に迫って行った。

私は一安を殺す気なんて、始めからない。

でも、そこまでやれば一安が「いいよ」と言ってくれるかもしれないと期待した。

その包丁は、一安にすぐ取り上げられた。

それから三日間で、要約一安は産む事を認めてくれた。



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