なんで俺が!??

ななしー  2009-03-24投稿
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「来月合コンするから‥真琴、日にち空けとけよ。」

弘はあっさりと俺の出した条件をクリアした。

「じゃあ早速、真琴さぁ女装してもらおうか?」

弘はニヤリと笑って、押し入れの中の衣装ケースをごそごそしていた。

「これこれ。」

弘が出したのはあの日に着ていた衣装だった。

(おい、あれってたしか‥どこに行ったかわかんなくなった衣装じゃねえか。)

俺は弘に聞いてみた。
「なぁ、それ‥どうしたんだよ?」

「これか? 真琴が教室に忘れていったからもらったんだよ。」

「もらった?」

「だって卒業式には机の中の物、置き忘れたらダメじゃねえか。」

「まぁいいけどさ。」

「つべこべ言わず、これまた着て見せてよ?」

「わかったよ。 なんで俺がこんなことしなきゃなんないんだよ。」

「おい真琴、何か言ったか?」
弘はニヤニヤ笑いながらあの日の衣装、キャミソールにミニスカートを手渡された。

「わかった、着替えればいいんだろうが。」

俺はその場で服を脱ぎ始めた。

「ちょっと待て、ここで着替えるなよ。 あっちで着替えてこいよ。」
弘はトイレを指差した。

「はいはい。」
俺はその衣装を持ってトイレに入っていった。

「そうだ。 どうせ女装するんなら下着もこれに履き替えろよ。」
弘はトイレのドアを開けて、女モノのパンツを投げ入れた。

「ここまでさせるか?」

俺は嫌々着替えた。
久しぶりにする女装、なんか不思議な感覚があった。

着替え終わるとトイレから出てきた。

「んっ? それはヤバいな‥ちゃんとした方がいいかな?」

「なんだよ、見たかったんと違うんか?」

「あぁ、見たかったけどちょっと違うな。真琴‥明日までちゃんとムダ毛処理してこいよ。」

「明日まで?」

「あぁ、暇だろ? 明日デートしよう。」

「まぁ、暇だけどさぁ。明日デートするの?」

「じゃ、決まりだな。」

「この衣装、真琴に返すよ。 明日、別の衣装用意しておくから。」

俺は服を着替え、返してもらった衣装を持って弘の部屋を後にした。

弘は俺が帰った後、なにやら準備に取り掛かった。

「よし、これで完璧。」

俺は弘が明日のデートに何か企んでいるなんて知る由もなかった。

俺もまた弘に何か企んでいた。



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