すべてが運命なら

春樹  2009-03-25投稿
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私はどうしても、一安に聞きたい事があった。

だから二人っきりの時に、聞いた。

「ねぇ一安、赤ちゃん産んで欲しいと思ってる?」

産んで欲しい、私はだだその言葉が聞きたかった。

「そんな事言わなくてもわかんだろ、一々面倒臭い事聞くんじゃねーよ」

一安が怒鳴った。

一安は私の妊娠が解ってから、ずっとイライラしていた。

「言ってくんなきゃわかんないよ」

ただ、産んで欲しいと聞きたかった。

「じゃぁ、お前は産みたいの?」

一安は話しをそらした。

私はそんな一安にイライラした。

「そんなの言わなくても解るんでしょ」

私はそう言った。

その答えに怒った一安は、私に物を投げ付けた。

「もう、知らない」

私は、泣いた。

ただ産んで欲しい。

そう聞きたかっただけなのに。

私は自分の家に帰った。

誰も居ない家で、死のうと思った。

脱衣所で、剃刀を腕に当てたその瞬間。

【ママ】

そうハッキリ聞こえた。

私は我にかえった。

その夜、私は赤ちゃんに語りかけていた。

「もう、産めないんだごめんね」

「せっかく、あゆを選んでくれたのにごめんね」

「でも、本当に愛してるんだよ。」

「ごめんね……」

次の日の夕方、私はお腹を殴り続けた。

殴る度、涙が溢れ落ちた。

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