あしたなんていらないから?

あめの  2006-07-09投稿
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『な、なんだっ………?!?』




4階の窓からだ。


屋上のフェンスにがしゃがしゃっとよりかかって、
友達であろう声が聞こえた方に向かって応答した。



『なにーーーーッ??!』
『せんせーがさー!お前探してるってー!捕まる前に自首しとけーーーー!』




なんだと。



直にここもばれる。




『………と、ゆーわけだから、さ。』
『…うん。ばいばい。』



あんまりあっさりしたばいばいに、僕はちょっとがっかりしつつも、
ばいばい、と言い返して
屋上から出た。



『あっ。ねぇ明日も来るの?』



僕は、立ち止まって少し考えてるふりをしながら



『っ…うん!多分くると思う!』


と、おもいっきり振りかえって答えた。



『そう。』


クスクス笑いながら、女の子は手をふった。



『じゃぁ、またね。』





ばいばいから


またねに変わっただけなのに


さっきの寂しい感じはなかった。



『ま、またね。』




ダダダダッと階段をかけおりて、僕はしょくいんしつに駆け込んだ。



『せんせー常習犯自首しにきましたよー』



隣のクラスの担任が茶化すように言う。




『あっ!相田!おまえから来るとはおもってなかったぞ!よし!反省具合によっては説教免除してやる!』



先生はひとりで勝手に感動している。




『あのさせんせー!俺、明日も遅刻します!』







その日の先生の怒鳴り声は、200m先の体育館まで聞こえたそうだ。

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