すべてが運命なら

春樹  2009-03-27投稿
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私は一安の着信を無視した。

きっと一安は何も考えていない。

赤ちゃんが居なくなった事で、自由が奪われないで済んだ。

それが一安の気持ちだと、私は勝手に思い込んでいた。

私が着信を無視していると、一安は留守電にメッセージを残した。

「お前電話でろよ俺、もうどうしたら良いかわかんないんだよ。5分でいいから逢って欲しい。」

聞いた事のない一安の声。

一安が落ち込んでいるなんて、想像もしなかった。

次の日の夕方一安から、また着信がきた。

私はその電話に出た。

「お前何で電話出無かったんだよ」

一安は淋しそうに聞いてきた。

「だって、今更電話に出てどうすんの?って思ったから」

私は少し緊張していた。

「今から、逢いに行くから出て来て」

強引な一安。

「無理だよ。逢っても話す事ないもん」

私は、いつも一安に逢うと一安のペースに乗らされる。

「お願い。5分でいいから俺どうしたらいいかわかんないんだよ」

一安は辛そうだった。

私も辛かった。

私も本当は逢いたかった。

一安が私と同じ様に辛いなら、解ってあげられるのは私だけだと思った。

「ホントに5分だけなら、いいよ」

私は一安の気持ちを確かめたいと思った。

確かめてどうかなるという訳ではないが

確かめる事に理由はいらなかった。

私は一安との待ち合わせ場所に向かった。

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