【保健室物語?】
『先生…』
「ん?」
『私…長袖着てるのは、見せたくないからなんです…』
「もしかして…切っちゃったん…?」
『切ったり…爪で かきむしった…』
「見せてくれるか?」
『…気持ち悪いよ…?』
私は袖をめくり
ズタズタの手首を見せた。
「…これ…めちゃ新しい傷やん…」
『…今日の午前中に…トイレで…』
「…痛かったやろ?消毒しよか」
『…気持ち悪くないんですか…?』
「当たり前やん。お前が頑張った痕やろ?」
『…』
涙がこぼれた…
非難されると思ってたのに……。
「今、ぎょーさん泣いときや?ティッシュやるわ」
先生は私にティッシュをくれた。
『……』
「しみたら ごめんやで?」
先生は
午前中の傷以外にも
昔の傷まで消毒してくれた。
『…私…嫌なことがあったら、ずっと傷つけてきたんです…』
「…うん」
『…聞いてくれますか……?』
「いいよ、俺も聞きたい」
先生は
むせび泣く私の背中を撫で
そう言ってくれた。
私は話し始めた─…。