弥生〜助言〜
弥生の下旬の事です。恋人だったサイさんからはこの二ヶ月一度も連絡がありません。私の両親は勉強の妨げになると言って私達の関係を引き裂いたのですが、そんな事をされたために余計に勉強に集中できなくなったのです。この二ヶ月、思い返せばずっとポケベルを握っていた気がします。サイさんと会えないなら生きていても仕方無いと思って、自害まで考えていた時に出会ったのが、今私が両親以上に尊敬する人、シンさんです。
シンさんは、一ヶ月前初対面の私にこう言って下さったのです。
「君の彼はナンバー１ではない、ロンリーマンなのだ。孤独故に愛を求め、君と出会い、君を幸せにしようとした。そして今また、孤独になった。君もそろそろ、何が自分にとって大切なのかを考えるべきではないのかね。彼もきっと、そう願っておるよ。」
その助言をもらい、生きようとは思いましたが、両親に抗う勇気は、まだありません。
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