〜前略 ハルカ様
ごめんなさい。
許してはくれないでしょうね。
こんな、ボクを忘れないで下さい。
ボクも、絶対に忘れないから。
誰がなんといっても、忘れない。
心配かけて、ごめんなさい。
草々〜
そう、返事の手紙を書いた。
宛先を『天国』と書いた。
そして、飛行機の形におった。
どれも、身を切られるような思いだった。
でも、ボクは前を向かなければいけない。
ハルカがそう望むなら。
窓を開けた。
真新しい風が部屋へと流れ込む。
手紙の飛行機を、外へと、飛ばした。
飛行機は綺麗な軌跡を描き、空へと吸い込まれた。
「届け、僕の声。君へ。」
そうつぶやいた。
それは、自信に満ちた声だった。
−完−