すべてが運命なら

春樹  2009-03-28投稿
閲覧数[185] 良い投票[0] 悪い投票[0]

私は先に待ち合わせ場所に着き、物陰に隠れた。

逢うと言ったものの、どんな顔して逢えば良いのか解らなかった。

5分位待った頃、遠くから聞き慣れたバイクの音が聞こえてきた。

一安だ。

その音はだんだん近づいて、私が隠れて居た物陰の傍で止まった。

そして、私が物陰から出て行くと一安が私に気付いた。

一安は私を見つけて微笑んだ。

「お前居ないから、バックレられたのかと思った」

一安は少し恥ずかしそうに笑顔でそう言った。

「5分だよ」

私は話しを本題に戻した。

それから、5分経っても話しは終わらず気付くと30分も経っていた。

「もう、ぜんぜん5分過ぎてるからあゆ帰るよ」

私は帰らないと、帰りたくなくなると思った。

「まだ帰んないだろ」

一安が笑顔で言う。

「だって、5分て約束したじゃん。もうすごい過ぎてるよ。」

一安のペースに乗らない様に必死だった。

「じゃぁ、やり直したい。つーか俺はお前と別れた気ないから、別れない」

一安はそれしか言わなくなっていた。

「無理だよ。やり直してどうすんの?もう遅いよ」

私が、そう言うと

「遅くねーよ」

一安がそう言う。

そんな会話を繰り返していると、雨が降り始めた。

「もう雨降ってきたから、帰ろう」

私は、帰ろうと言い続けた。

もっと一緒に居れば、もっと悲しくなると思った。

「帰んないよ。お願い今日だけだから」

一安はそう言って、バイクに乗った。

「ケツ乗って」

「なんで?どこ行くの?」

もうこれ以上、外に居たら雨でビショビショになってしまうから…

私は自分に言い訳をして、バイクに乗り、一安に捕まった。



投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 春樹 」さんの小説

もっと見る

恋愛の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ