今から5年前の寒い雨の日に私と彼は出会った
私は会社の屋上で一人涙を流していたはず。
前の日に大学から3年間続いた彼氏に突然別れを告げられた。それが辛くて我慢できず一人で泣いていた。
「寒く、ないですか」
「え?」
振り返るとそこに彼がいた
「あ。は、はい。大丈夫です!!」
私は慌てて涙を拭った。彼は私の会社の先輩で名前は渡瀬浩太。
「今日寒いなぁ」
彼が言った。
「そーですね。」
私は、自分に笑えと命令しながら無理やり笑顔を作った。
「俺寒いときに暖かくなる方法知ってるんやけど知りたい?」
「え。なんですか?」
彼が笑顔で返してきた。
「俺の彼女なったィィんや、俺お前のこと前から好きやってん。」
そー言って泣きべその私を彼の大きくて暖かい手に私は抱しめられた。
本当に体暖かく、火照った。