その男は、僕の言葉を聞いて怖くなったらしく、何もせずに帰っていった。でも、お金は払っていったらしい。
しばらくはこの手で上手くいったのだが、ある日とんでもない客が訪れたのだ！！僕がいつものセリフを言うと、その男はー
｢俺はもうとっくにエイズになっているんだ。こうなったら他の奴にも移してやろうと思って、色んな男と寝てきたんだ。てめえにも移してやるよ。｣
僕はそれを聞いてゾッとした。世の中には、こんな恐ろしい奴もいるのかと。
僕は基本的に暴力反対なのだが、逃げられない状況にあるので仕方がない。ーそれで思い切り彼の鎖骨を殴ってやった。彼の鎖骨はみごとに砕け、痛そうに転げ回っていた。そのすきに逃げようとしたところ―、
｢警察だ！！｣
と後ろから声がした。やっとのことで、探偵が僕たちの居場所を突き止めて、警察と協力して、少年売春の関係者全てを逮捕した。どうやら以前までは、探偵と警察は別行動だったらしい。それで、なかなか悪者たちを逮捕できなかったのだろう。
しばらくするとケントの姉と僕の姉がかけつけてきて、僕たちは姉と感動の再会を果たした。
しかし、探偵はあの美女が殺されたことをひどく悲しんでいた。彼女は彼のいとこだったからだ。
それにしても、僕は不思議でたまらないのだ。何故エイズになる危険性が高いにもかかわらず、同性愛行為をするのだろう、と。
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